星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

新海誠監督 「天気の子」

映画13.新海誠監督 「天気の子」(2019・日本)

109シネマズ湘南にて視聴。前作「君の名は」があまりに大ヒットだったので、それに負けない作品を作れるのかどうかが心配だったけど、杞憂に終わったようで、ほっとしている。というか、「君の名は」以上に、完成度が高く、面白かったと言える。

 

以下、多少なり、ネタバレしているかな?

今回の主人公は家出少年だし、たぶん、初めての東京で、どうやってやっていくのかと、前半は、ハラハラしながら見ることになるし、遠くに行きたい憧れを持ちながら、居場所のない若者の気分には、共感するものがあった。

やがて、主人公を取り囲んでいく登場人物たちは、特に魅力的だし、みんなよかったと思う。予告を見た時には、ヒロインの女の子ばかり目に着いたけど、その弟のしたたかぶりがよかったし、須賀さんや夏美さんなど助けてくれる大人のキャラもよかった。それぞれに抱えている事情が、だんだん明らかになってくるし。

物語的にも、特に破綻することなく進み、晴れ女の設定や、力を持つ者には、代償が必要だという話や、そうやって、犠牲になっていく少女に向かって、世界が滅んでも君が欲しいという少年の願いのあと、本当に世界が変わってしまうというのが非常によくて、そこでも人間がしたたかに生きていく部分を、さらりと描いたのが、またよかった。

誰のせいでもなく、世界はもともと狂っているんだというその一言に、救われたような思いもある。