星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「神隠しと日本人」 小松和彦

■「神隠しと日本人」 小松和彦 角川ソフィア文庫

活字では、今年の2冊目。
小野不由美の「黒祠の島」を読み終えたあと、なんとなく民俗学の本が読みたくなって小松和彦です。(なにしろ、「黒祠の島」は、神社がどうとかご神体がどうとかが、物語のモチーフだったので)
基本的に民俗学は好きな学問ジャンルなんですよね。(^^)

この本のテーマは「神隠し」だけど、たかが100年ぐらい前まで本当に日本では、「神隠し」が大まじめに信じられていて、「天狗にさらわれた」とか「狐にだまされた」という言葉を使っていたというのが何となく新鮮な驚きでした。もっと古い時代の昔話のような気がしたので。

本書では「天狗」や「狐」が意味すること、とか、「神隠し」という言葉によって本当は何を隠してきたか、とか、を丁寧に読み解いてあって、非常に興味深かったです。

「夕暮れ時に隠れん坊をすると、鬼に引かれる」という伝承も70年前の東京で実際に使われていた・・というんだけど、個人的には初めて聞きましたね。
「物語のネタを仕入れたいときには小松和彦を読め!」と言ったのは夢枕獏だったか、誰だったか? 本当にネタの宝庫ですよ。面白かったです♪