星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「オーバーマンキングゲイナー」第11話

第11話「涙は盗めない」

見事でした。個人的に気に入ったのは大河内さんの脚本。隙がなくて上手い。
すべてのセリフがちゃんとテーマ的に意味を持ってつながっている。冒頭と最後にアデット先生を持ってくるところが見事。商人たちであふれる庶民の市場の裏側に闇取引をしている貴族たちがいること。さらにその上に君臨しているロンドン・イマの構図。などなど。それらが3重、4重につながるエピソードの流れで見せちゃうのが上手い。この構成のやり方は、ちょっと勉強したいと思ったほどだ。

絵的に印象に残ったのは、ゲインが箸を使って食べていた魚が一匹丸ごと乗せられている謎のどんぶり。絵を描いた人のセンスがうかがえます。(笑)。
前回のヤーパン忍者の設定も、「なんか違う〜。けど、面白いからいいや」という感じだったけど、このどんぶりもまさにそれだな。(^^)
「日本風」に見えて、実は違う。外国人がよく描くようなちょっとずれている日本のイメージ・・というのをあえて描いて見せている感じです。
そんな描写のおかげで、この世界の「異世界風味」というのが上手くでているんだと思います。

今回の主役はアナ姫だけど、幼い少女が姫君として毅然とした態度をとるのにはちょっと感動。「おうちは大丈夫なのでしょうか?」「電話したいのです」とする子供らしい部分と同じ性格が姫君の中に同居しちゃうのがいい。
それはアナ姫の写る電話画像に抱きつかんばかりにしている父親の中に、「画像を切れ」と冷酷に命じる父親もまた同時に存在すること。

お互い愛し合っているけれども、それそれにやるべきことをちゃんと知っている。その姿は本当に立派です。