星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

富野由悠季監督 「機動戦士ガンダムF91」

面白かったです。正直、昔、見たときには何が起こっているのか、物語がよくわからなかったんですけどね。(^^);
と言うか、見たはずなのに、全然印象に残っていない・・というのが正確かな?(8年ぐらい前にレンタルで借りて見て以来、視聴は2度目です)

今、改めて視聴すると、モビルスーツに襲撃される街の様子が生々しく、攻撃の合間の流れ弾に当たって、避難しようとする人々が次々に死んでいく様が、非常にリアルに映りました。(特に赤ん坊を抱いた母親があっさりと死んで、道ばたに放り出された赤ん坊を主人公たちが拾い上げて、助ける部分など)
本当に、戦場というのはこんな感じなんだろうなあ・・と思うと、怖ろしかったです。

たぶん、昔はこれを絵空事として見ていたんだろうと思うんですよ。アニメだし、他人事の世界だと・・。だけど、今の世の中は、こういった戦場を他人事だと言っていられなくなった気がするんですね。

福田監督が、「SEED」を制作する前に「F91」を視聴したと何かの記事で読んだけど、言われてみれば「SEED」は、「ファースト」はもちろんだけど、「F91」の影響をかなり受けているような気がします。

私の目には、敵と味方を行ったり来たりしているセシリー嬢は、一歩間違うと、状況に流されっぱなしのフレイになるんだなあ・・と映ったんだけど、違うかしら?(^^);
特にラストシーンは、そのままでしょう。要するに「花」が「トリィ」になっただけ。あれは、「ファースト」じゃなくて「F91」だったのか・・となんだか納得しました。

シーブック・アノーは年齢の割に大人すぎ、言うことが立派すぎたために、当時のファンの共感を得られなかったんだろう。その反省の上にたって、「SEED」の少年たちが、実に子供っぽく、世間知らずで、情けない性格として作られているんだなあ・・というのがよくわかります。(で、個人的にも自分に近い方は、はっきり「SEED」なのもまた事実で・・)

昔はわからなかったコスモバビロニアの唱える「貴族主義」も、今、見直すと、少しはわかるような気もします。世の中には、そういうことを考える人たちが本当にいるのだと。
ただ、こういう思想的な話は難しいから、現状の私としてはパスしておく方が無難かな。

昔はつまらないと思った映画も、時を経ると面白く感じるというのは、不思議ですね。(^^);