星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「THE WORLD」第4,5巻 獣木野生

42.「THE WORLD」第5巻 獣木野生 白泉社キャラコミックス 評価★★★★★
41.「THE WORLD」第4巻 獣木野生 白泉社キャラコミックス 評価★★★★

4,5巻にまたがって第5話「架空の線」5巻の後半部分に第6話「スカイスクレイパー」が収録されている。
で、個人的には「スカイスクレイパー」の方が好き。

「架空の線」はいよいよ獣木野生が「戦争」をテーマに物語を描くのか!! と思ってものすごく期待していたんだけど、その割には「戦争」と言うよりも、前線の兵士が現地の女性達をなぶり者にする残酷さだけがクローズアップされていて、読んでいてあまり気持ちよくなかった。これはこれですごい内容だとは思うんだけどね。(^^);

「スカイスクレイパー」の方は、一気に近未来にまで話が飛んで、温暖化によってすんでいた土地が水没し、難民となってしまった人々が世界の最下層にすんでいる時代の話。

「架空の線」では「犬」がテーマだったけど、「スカイスクレイパー」は「鳥」がテーマ。
世界を最上層から最下層まで縦に描いて、その合間で「鳥が死んでいく」という言葉を繰り返している。

「鳥が死ぬ」「たった一話の鳥がこのビルの谷間で生きてゆけずに死んでいく」「もしこの鳥が生き返るのなら、私はすべてを引き換えにしてもいい」
こういう言葉のセンスがすごく好き。鳥にたとえられた、主人公達の気持ちが身にしみて感動できるので・・・。

やっぱ、獣木野生はいいわ〜。お薦めの作品です。(^^)