第7話「双葉恋太郎最初の事件」
この作品の味は、圧倒的にシナリオの良さと関(智)さんの淡々としゃべる演技力にかかっているんだなあ・・・と思いました。ある意味、関さんファンこそ、必見の作品かも知れません。
「どうすんだ? お前・・・」と繰り返すお父さんとラストの恋太郎の「しけた大学生からしけた探偵へ・・・」「大して変わっちゃいない。ほんの少し・・・変わっただけだ」の言葉が印象に残りました。
父親を失った恋太郎が、これから何をすべきか目標も見失って、大学もやめて、何をどうしたらいいのかわからない日々を送る。
♪捜し物はなんですか? 見つけにくいものですか? 夢の中へ行ってみたいと思いませんか?
と、曇った目で、朗々と歌う恋太郎の気持ちがよく伝わりました。彼にだって、自分のやりたいことがあったんだけど、できなくなっちゃっているんだって・・・。
父親にあこがれていたけど、彼は死んでしまった・・・。後を継ぐにも自信がない。そこに現れる双子と彼女たちの申し出。「じゃあ、私たちの依頼を果たすことができたら、探偵になる。それでどう?」
双子は、結果的に彼の行く道を決める方向を示したんだなあ・・・と思いました。もちろん、彼女たちには彼女たちなりの事情があって、彼に助けを求めたんだけど、それは恋太郎に新しく進む道を与えたわけで、人と人の関係もそうやって相互扶助の役割を果たしているのかも知れないな・・・と、何となく思いました。
探偵への道を進む決意をした恋太郎の姿がちょっと感動的でした。以前の投げやりの姿が、とてもよくわかる分だけ、いい話でした。