映画5.庵野秀明監督「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」(日本・07)
遅ればせながら、観てきました。
良くも悪くも、普通の映画になったなあ、という感じがしました。「エヴァ」というと、場面がやたらカットされて、つぎはぎみたいに飛ぶ演出が特徴だったように思っていたけれど、そういうちょっとマニアックな作りが一掃されて、ごくごく普通のドラマとして、一般向けに見やすく作り直したような感じに見えました。
そういう部分は、貞本エヴァの手法を逆輸入したのかなあ、と思いました。とは言え、シンジくんの性格とかは、TV版とほとんど変更がなかったように見えたし、貞本エヴァみたいな気の強さは持ち合わせていないみたいでした。確かにこちらが本物という感じ。シンジくんのぼそぼそした声が懐かしかったです。緒方恵美さんの少年声を聞くのも久しぶりで、かわいかったな〜。
物語は、TV版の最初の方をそのままなぞっているみたいで、特に劇場だから書き直したという変更はなかったように思えましたが、強いて言うなら、描写が足りなかった部分を付け加えたり、話が前後していたところを時間軸通りに直した形。だから、本当にわかりやすかったし、キャラクターにも感情移入しやすかったです。
TV版で一度見たものを、劇場の迫力で見直すというのも、結構新鮮でした。特に、戦闘シーンは大画面で観ると、やっぱり違うかな・・・。あと、ビルが地下から浮かび上がってくるところとかも、迫力があっていいなあ、と思いました。
「近頃は、自分の都合しか考えない男が増えたからね」
「女には辛い時代になったわよね」
と、会話しているリツコさんとミサトさんが印象に残ったかな? このセリフは、TVにはなかったような気がするんだけれど、なんだか安野モヨコ調かしら? と思いました。
ラストに登場のカヲル君の様子や、次回予告を見る限り、これからはオリジナル展開になりそうな予感もあるから、続きも楽しみです。
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