星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「ぼくらのサイテーの夏」 笹生陽子

小説・一般16.「ぼくらのサイテーの夏」 笹生陽子 講談社文庫

階段から飛び降りる遊びをしていた小学生の男の子が、結果、腕にギプスをする羽目になり、先生から罰として、夏休み中のプール掃除を命じられる。

そうやって、プール掃除をしながら過ごした一夏の話。なんだけど・・・。

真面目にプールに通って、せっせと掃除をしている小学生の姿が、目にまぶしい。ううう、えらいなあ。頑張っているなあ。と思って、自分、怠け者なので、その部分が、非常に読んでいて痛かった・・・。(><);

この子、時間に遅れるのが大嫌いだそうで、必ず、相手より早く行くのよ。相手を待たせるなんて、絶対にやっちゃ行けないことだって。競うように早め早めに行動するし、それを見ながら、身もだえしてました。ああああああ・・・。

一方で、引きこもりになっちゃっているお兄ちゃんの話とか、障害を持っている女の子の話とか、友達の家が商売に失敗して、潰れそうになっている話とか、いろいろエピソードが入り込んで、なかなか教訓的な物語になっている。

いや、すごくいい話です。読んでいて、身につまされました。うちも放ったらかしにしている鉢の草むしりぐらい、ちゃんとやらなきゃなあ、と思ったほどで・・・。身の引き締まる思いをさせられた物語でした。面白かったです。