星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「獣の奏者」第2巻王獣編 上橋菜穂子

読書34.「獣の奏者」第2巻王獣編 上橋菜穂子 講談社文庫

「エリン、そなたは賢い。見ようと思えば、この世の構図の隅々まで見えるだろう? 冷静にそれを見よ。そうすれば、そなたになにができて、なにができぬのかも見えてきて、平静な気持ちで、運命に従うことが出来るだろう」

印象に残った言葉をあえてメモ。悪役のセリフのはずなのに、やけにかっこいいんだ。

昔読んだ時よりも、平静に見ることが出来て、非常に面白かった。私もこの世の構図の隅々まで知りたいものです。見えればいいんだけどなあ。知る努力は怠りたくないですね。この物語は、その一部をかいま見せてくれたようでした。この世を縛っているものが何かを。

「人は、獣は、この世に満ちるあらゆる生き物は、他の生き物を信じることができない。心のどこかに、常に、他の生き物に対する恐怖を抱えている。だから、己の生を消されぬよう、他の生き物を抑えるために様々な工夫を凝らし、様々な拘束の手段を生みだしてきたのだ。
 武力で、法で、戒律で、そして、音無し笛で、互いを縛り合ってようやく、わたしたちは安堵するのだ・・・」

獣の奏者 2王獣編 (講談社文庫)

獣の奏者 2王獣編 (講談社文庫)