第5話「海が怒りに染まる時」
こういう展開になるとわかっていたんだけれど、やっぱり、ちょっときついな。戦闘でここまで民間に被害が出ちゃうと、そりゃ、恨まれても仕方がないわ。という気分にもなる。
町の崩壊と船の爆発と、それによる津波と、人々が吹き飛ばされたり、流されたり、描写が細かくて、生々しい。
もともと勝平に不信感を持っていた香月が、家族をすべて失っていくのも、見ていてつらい。妹の手を離してしまった瞬間も怖かったが、視点がさっと母親に切り替わって、流される母親を必死で助けようとする姿もまた痛々しい。
戦って勝てば人々に感謝されるという描写がなくて、この作品では逆にそれをひっくり返しているのがポイントで、助けようとして、戦えば戦うほど、守ろうとしたはずの人たちにどんどん恨まれていく。その理不尽さ。
しかし・・・。世の中、そういうものかもしれないな。というのは、最近、しみじみと思う実感で。人間って、そういうものなんだわ。