星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「機動戦士ガンダムSEED」第19話

第19話「宿敵の牙」

見所は色々あったけど、一番のキモはやっぱラストシーンのサイの涙でしょう。あれは痛ましいよ。あまりにかわいそうで涙が出たよ。
ほとんど彼にセリフを言わせなかった演出が気に入った。何も言わずに、階段の手すりを握りしめたり、ストライクのコクピットに乗り込んで彼がやろうとしたこと。
キラに負けたくないという必死の思いが伝わるから、見ていてつらかったですね。

キラはサイを後ろ手に押さえ込んで、身動きとれなくしたけど、そういう態度ほど、相手に屈辱感を与えるものはない。友達に、友達だと思っていたやつにそんな真似をされてしまったサイの苦しみ。

一方で脳天気なもう一組のカップルは、「キラがいないと不安で・・」と言っているけど、彼女も結局は「戦力」としてのキラをあてにしているにすぎなかったということだよね。自分たちは戦わないで、戦うとしても安全な艦の中にいて、キラだけをMSに乗せて戦場で戦わせていた彼らの友情の欺瞞。はっきり出ていると思う。

「コーディネーターなんだから、戦って死ねばいいのよ」と思っているのは、決してフレイだけじゃないということだな。

そんな彼らの中で、唯一サイだけが、キラと同じ立場に立とうとしている。かなわないまでも、自分も戦いたいと本気で戦場に向かおうとしている。
それは、愛する女であるフレイを守るためでもあり、友人であるキラと対等に向き合うためでもあり、何より、自分のためだった。
それがわかったから、フレイも涙を流すんだよね。

砂漠の虎がキラとカガリに声をかけるタイミングとその問いかけは好きだな。
ケバブにはどっちのソースが合うと思う?
きみはどちらの言うことを聞く? どちらを選ぶ?

キラのことだから、そのままであれば、カガリのすすめるとおりのソースをそのままかけたことだろう。砂漠の虎は、そんな彼に「別の選択もあるんだよ?」とその可能性をさりげなく示唆したのだ。
他人の言うとおりにばかりしていて、それできみは満足なのか? と、問いかけたのだ。

この選択は自分で書いていても痛い。私も自分の道を選ぶのが下手なので、ため息が出ます。うう〜。