4.宮崎駿監督「ハウルの動く城」(日本・04)
いやあ、すごくよかったです。面白かった。宮崎アニメで久しぶりにヒットという感じでした。
雰囲気としては「千と千尋の神隠し」に近いんだろうけど、中途半端に現代日本の現実世界が出てこない分だけ、「ハウル」の世界観の方が好きだな。
この物語も結局は、ソフィーの見ている夢に過ぎないのかも知れない。
だけど、夢の中で少女が前向きに、自分でがんばる姿を見せてもらったので、映画館を出たあとも後味が悪くなかったです。
とにかくハウルがかっこよかった。キムタクは思いの外好演していましたね。キムタクには今まで全く興味がなかったけど、ずいぶんいい声をしていたんだ・・と感心しました。ぼそぼそとしたしゃべりがすごくすてき。戦場で鳥のような姿になって、破壊的な様相を見せ始めると悪魔的な感じになるのも魅力的♪
カルシファーがかわいかったな。軽いルシファーだからカルシファーなの? それとも、カ・ルシファーというのは原作通りの名前なのかな? 「魔法使いハウルと火の悪魔」というのが原作タイトルだから、ソフィーよりもずっと「火の悪魔」であるカルシファーの方が原作ではメインなんでしょうか?
「千と千尋」みたいにごちゃごちゃした印象がなく、お話もキャラクターもずっと単純化してすっきりした感じに見えました。
要するに、「家族を守る物語」だったのかな? と私は思ったんだけど・・・。ただ、この内容には正確な答えなぞなくて、人によって解釈が様々だろうし、それはそれでいいと思う。
「動く城」は「家」であり、そこにはハウルとマルクルが二人、男所帯で暮らしていた。そこに女性が入ってくることで、家に新たな活力が加わる。ソフィーが加わったことで、彼女に惹かれてみんなが集まる。
その家が一度、ソフィーによって破壊されるのが面白いと思いました。守るべきは、家ではなく、家族なんだと。
そして、前向きに繰り返された「自分の足で歩け」という言葉が強く印象に残りました。解説とかやれば、無限にネタが出てきそうなんだけど、そういういろんな風に考えさせてくれる物語はすごく好きです。いい映画でした。
http://www.howl-movie.com/