【境界線】
遠い空のずっとずっと彼方、どんどんどんどん上っていくと、きっとどこかで境界線にぶつかるだろう。
地上界から天上界へと続く大切な通路の、生の国と死の国の境界。
たぶん、その場所がオゾン層。
地上のみんなはスプレーを振って、境界線を消そうとしている。
ほら、もう、ぽつんぽつんと穴が開いている。
黄泉の国の魔物たちが、喜んでいる。
やっかいな境界線がなくなったと喜んでいる。
彼らは笑い、誘いあい、そろって地上へ降りてくる。
いつか、そう遠くない未来。
すっかり、境界線は消えるだろう、その時には、
地球は魔物に占領されて、完全な死の国となりはてるのだ。【END】
#ネタで時代がわかるけど、15年ぐらい前に書いた短編。地元の新聞に投書したら採用されました。昔は、こういう時事ネタも書いていたんだよなあ。
今の自分もこういうネタで童話を書けばいいんだろうけどね。(^^);