星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「ブラックジャック」Karte58

Karte58「老人と大木」

このおじいさんの声って誰だっけ? 聞いたことがあるようなないような?? と思っていたら、EDロールで納谷六郎と書いてあったので、びっくりした。あまりに久しぶりに聞いた名前だ。しかも、こんなおじいさん役! 納谷六郎氏と言えば、お兄さんの納谷悟郎氏がどんなに老け役をやっても、いつも若い役ばかりやっていた声優さんじゃなかったっけ??(←偏見??)

納谷六郎さんまで老人役をやるようになったとは、時は流れたものだなあ・・・と、なんだかしみじみした。

まあ、それはともかく、お話自体の原作改変に対しては、あんまり感心しない展開だと思った。もともとの原作が好きだったせいもあるんだけど、この話は「わしにはこの木だけが友達で、家族なんじゃ!!」と叫ぶ老人の哀しみがあってこそだと思うんだよなあ。身よりのない年寄りが、木だけを家族と思って、大切にしてきた・・・という話であって、「木が家族」と言い張る老人は、傍から見れば少々パラノイアの入っている人だったと思うんだよ。だからこそ、誰にも理解してもらえず、木は切り倒されることになる。

そういう風に描かないと、何故、木が切り倒されるだけでショックを受けて、老人が首つり自殺をしなきゃならないのか、視聴者にわからないと思うんだけどね。

アニメ版では、首つり自殺のシーンまでカットされていたんだけど、BJ先生のメス投げでロープを切るシーンがなくなっていたのが、残念でした。

アニメ版では、原作にあった患者が抱えている孤独な悩みを、みんな「ぼくたちがなんとかしてあげるよ」とばかりに、和登さんやシャラクやピノコが出しゃばって、やたら「助けてあげるね」という展開を描こうとするんだけど、前回のピノコの受験の話は、それで成功していたような気がしたが、今回はやり過ぎだったような気がする。原作が描いていた問題提議の部分まで失っちゃいけないと思うんだけどね。