星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「カラマーゾフの兄弟」第4巻 ドストエフスキー

小説・一般12.「カラマーゾフの兄弟」第4巻 ドストエフスキー 光文社古典新訳文庫

読むのに少々、時間がかかったけれど、第4部も順調に面白いです。なんにせよ、人が一人殺されて、みんながその事件の顛末に興味津々で面白がっているという部分がなんかわかりやすいなあ、と思いました。

裁判もすでに娯楽に過ぎない。いいうわさ話の種が出来て、みんな喜んでいるんだ。人間心理なんて、そんなものよね。

今まで丁寧にキャラクターの心理や置かれている立場などを描写してきていたので、裁判の土壇場で、人々が何を証言するか、というのが面白かった。

カテリーナとグルーシェニカの二人のヒロインの対決が、女性心理を両極端に表していて、男をめぐる女心の恐ろしさを見事に表現したかも? 特に土壇場で自分の心情をすべてさらけ出したカテリーナの描写は圧巻でした。