第11話「土佐沸騰」
人を煽ることの恐ろしさやそれに対する責任を考えさせられました。日本人は、特に乗せられやすい体質があると思うしなあ。みんなを煽ってその気にさせるのはいいけど、乗せられた彼らがそうやって集団で暴走し始めたら、最初に煽った人間ですら止められないかも知れない。やっぱ、これって怖いことですよ。
しかし、身を張って、刀を置いて、直談判に赴いた龍馬は、やっぱりかっこいいなあ、と思いました。このままじゃ、土佐がふたつに割れて戦いになると、それを止めるために向かっていった姿は、すてきです。ケンカは嫌いじゃと、最初からそう言っていたけれど、その彼の性質が、やがて薩長同盟まで続いていくんだろうなあ、と思いました。戦いを止めて、手を結ぶべきだと、そうやってみんなを説得することが出来るのは、さすがに龍馬ならではという感じがします。
道場で窓の格子から斜めに光が差している演出が、なにげにきれいだなあ、と思いました。この作品では、なんかそういう光の使い方がいいよね。
あと、改めて、吉田東洋の不気味さというか、いかにも狸というか狐というか、どこか妖怪爺いっぽい感じが、素晴らしいなあ、と思いました。こうしてみると、彼は、龍馬の味方っぽいね。最初見たときには、悪役かと思ったほどだったのに、そう見えて、実はそうじゃないのか。
長崎に行ったはずの弥太郎が、あっという間に戻ってきていたのに、ちょっと笑えました。当分、帰ってこないと思っていたんだけどなあ。お父さんが、あんなに息子の手紙を読んで、喜んでいたというのに、何をやっているんだか。
それでも、弥太郎が活躍するのは素直に嬉しいです。順調に面白い。次回も楽しみにしてます。続きを待ちます。