第3話「鹿ヶ谷の陰謀」
こうしてみると、平家物語というのは、文字通り、平家の物語だったんだなあ。と、今更ながらに思った。なんか、頼朝とか義経とか、源氏方のイメージのほうが強くて、平家って悪者みたいな印象があったんだけど、そうでもなく。
生真面目な重盛を中心に描かれているからかもしれないが、おごっていたとは言え、一応、その中で人々は、普通に生活をして、平和な日常を営んでいたんだとわかる。
だけど、未来が見えるびわとしては、その平穏が長くは続かないことを知っている。我々の日常も、そのぐらい危ういものなのかもしれないと、ふと思う。ひとえに、風の前の塵に同じ。