星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

新海誠監督 「君の名は。」

映画22.新海誠監督 「君の名は。」 (日本・2016)

今頃ですが。見てきました。新海誠の作品は、「ほしのこえ」で知って以来、全作品を視聴してるはずです。その分、この監督は、SFをやらせると全然ダメだなあ。という認識だったんですけど、この作品は、SFとしても、物語としても、あまりにきちんと綺麗にまとまっていたので、新海誠にこんなちゃんとした作品が作れるようになったんだ~!? と言う部分で、ビックリというか、デビュー作に近い時期から知っている分、作家の成長を感じて感無量ですよ。

新海誠の作品といえば、いつも「遠い人を追いかけている」という片思いストーリーが多かったような印象だったのだけれど、最近の作品「言の葉の庭」から、明らかに方向性が変わって、すれ違うままで終わらず、振り返って、相手を捕まえる方向に進んだんだなあ。と言う感じがしました。

遠ざかっていく「ほしのこえ」を聞くだけだった境地から、ここへたどりついたのか。星を追っていた子供が、大人になって、星を捕まえたのかって、そんな感じ。

SFとしては、古典的な内容で、ラノベと言うより、昔のジュブナイル小説の匂いを感じました。「時をかける少女」に近いような? そんなに新しい物語ではないんだけれど、違和感なく綺麗にまとまっているのと、そういう古典的な内容を最新のきれいな作画のアニメーションで見れたのが、非常に嬉しい。

少年少女のすれ違いストーリーとしてもよくできていて、時間軸がずれているから、会いに行っても、わからない。と言う部分で、SFファン心を刺激します。

女の子は未来に助けを呼んで、男の子が未来から助けにくる。という設定もおいしいし、女の子を助けたい男の心理と、男の子に助けてもらいたい女の心理にうまくかみ合って、普通の人たち、みんなの心もつかんだんじゃないかと思います。

しかも、全部、男の子がやってくれるわけでもなく、最終的には、女の子が頑張ったという点もよい。未来を変えられるか、運命を変えられるか、やってみせる! 頑張ってみせる! という彼女達の心意気に、見ているこちらも、一緒に応援したくなった。

で、やり遂げるわけでしょ。彼らと一緒になって、よかったね~!! と思うことができた。非常に気持ちのいい映画でした。

時間軸のすれ違いが、オタク心もくすぐるので、リピーターが出るのもわかります。落ちを知った上で、もう一度見たくなる映画なんですね。どういう構成になっているのか、気になる人は、確認したくなるんでしょう。そういう部分含めて、よくできてました。