11.樋口真嗣監督「ローレライ」(日本・05)
原作は未読。困っちゃったなあ・・・と言うのが、素直な感想。もともとほめるつもりで試写会に行ったんだけど、この内容では・・・・。
作品のテーマ自体は非常にいいし、言いたいこともよくわかる。映画としてもまとまりもよかったと言えるのかも知れないが、いかんせん、ものすごーくぬるい。
もともと福井晴敏の作品というのはマンガっぽいんだけど、実写映画にしたら、本当にちゃちになってしまった。なんというか、絵コンテの見せ方はいいと思うけど、いかんせん、物語がありきたり。少し展開を見れば、次はこうなるだろうなあ・・・というのが全部読めてしまう。
もう少し、なんというか、この先どうなるんだろう? 全然先が読めないよ〜、というわくわく感と言うか、緊張感が欲しかった。そういう意味では、「ジパング」のアニメがどんなに出来がいいのか、と改めて思い知った。
情けないくらいに安っぽい物語になってしまっている。せっかくセリフではいいテーマを語っているのに、必要以上に感動させようと流れる音楽で全て台無しになっている気がする。
強いてよかった探しをするなら、石黒賢の演技が素晴らしかった・・・ということぐらいか。いやあ、石黒賢は下手にいい人をやるより、ブラックをやる方がかっこいいですわ。その点だけは大喜びでした。
これはたぶん、原作の方が面白いんだろうなあ・・・と思う。というか、思いたい。文庫4冊、もう入手しちゃったんだから、あとで読まないと・・・。
むしろ、この場合、映画を見る前に読むべきだったかも知れない。原作を先に読んでいれば、少しは登場人物たちに感情移入できたのだろうか??
それとも、ミリタリー系の好きな人は、潜水艦がよかったとかミサイル砲撃のシーンとか爆雷が落ちてくるシーンのかっこよさだけで満足するのだろうか? そのあたりはよくわからないな・・・。(−−);
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