星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

テアトルエコー 「マグノリアの花たち」

うーん・・。残念ながら、この芝居は今ひとつだった。原作はアメリカでロングランの芝居らしいんだけど、このシナリオを日本風に演出するのが、上手くあわなかったみたい。

アメリカのホームドラマのように淡々と進んでいくんだけど、アメリカ人には笑えるだろうジョークの部分がどうもぴんと来なくて白けてしまうのだ。

物語も母親と娘の話だったのだけど、彼女たちの絆が今ひとつ上手く描けていないように見えた。特に一番肝になるはずの母親の心情に、うまく感情移入できなかったのは辛い。母親がどんなに娘を心配しているのか、愛しているのか、それを描くことができないと、ラストシーンの感動に結びつかないと思う。

演出を担当したのが、今回が初演出だというエコーの研修の卒業生だと聞いたので、課題としての作品だったのだろうか? でも、よりによって難しい作品を選んだね・・・という気もする。

翻訳物を演出することの難しさを痛感したような形。特に日本人にはあまり馴染みのないキリスト教の概念をどういう形でコメディに持っていくか・・・というのは、やはり大変だと思う。
芝居を見ながら、「私がもし演出するならどうやっただろう?」というのを考えさせられてしまった。

役者さんの芝居の部分は十分に満足。特に太田淑子さんや小宮和枝さんの生の演技を見られたのは、往年のアニメファンとしてすごく嬉しい。最近の声優さんだと、石津彩さんがほとんど主役を張っていたので、「BSアニメ劇場のお姉さんだ」という感じでミーハーに喜んでました。

流れるラジオの声が安原さんだったのもファンサービスかな? 今回は、安原さんの出番はないと思っていたので、そういう部分が嬉しかったです。

http://www.t-echo.co.jp/