星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「鹿と少年」上巻 ローリングズ

小説・一般35.「鹿と少年」上巻 ローリングズ 光文社古典新訳文庫

子鹿物語」を大人向けに翻訳し直し、改題した本。「子鹿物語」自体は、小学生の時、子供向けに訳された本を読んだし、高校生の時に放映されたNHKのアニメも全部見てます。

だからかどうか、登場人物の名前に妙に聞き覚えがあったのは、さすがに10代の記憶力だなあ、と自分で感心した。主人公がジョディで、その親友がフォダウィング、飼っていた子鹿の名前がフラッグなのは、もともと覚えていたけど、ページを開いてすぐに出てきた犬の名前がジュリアなのと、襲ってきた熊の名前がスルーフットだったのをみて、なんか感動していた。そうそう、そういう名前だったよ・・・。

お父さんのセリフが、なんとなく声で聞こえてくるからには、どうやらアニメ版の記憶が濃厚のようだ。そういえば、一部カセットテープに音声だけ録音して、繰り返し聞くというのを、この作品でもやっていたっけ・・・。たぶん、そのせいだと思う。

今の視点で読み直すと、フロリダの厳しい自然の中で生きる開拓者の暮らしぶりが、なんだか感動的。水道もガスも電気もないところで、暮らしているんだもんなあ。畑で取れたものと銃で撃ち殺した獲物だけを捌いて保存食にしていく感覚が、なんか面白かった。昔の人は、たくましく生きているなあ。という感じで、自分にはとうてい真似できそうにないもので・・・。

そういう生活の知恵みたいなものを見習いたいものだと思いました。引き続き、下巻も読んでいきたいと思ってます。と言うか、現在、読書中。