星の原休憩所

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「機動戦士ガンダムUC」第8巻 宇宙と惑星と 福井晴敏

読書11.「機動戦士ガンダムUC」第8巻 宇宙と惑星と 福井晴敏 角川コミックス・エース

「変わろうとしない者に変われと要求するより、無視してしまえばいい」という、フル・フロンタルの言い分の方が、もっともなんじゃないのか? と思ってしまったので、それを否定するミネバの言い分について行けなかった。

そもそも、ジンネマンの裏切りを止めることが出来なかったミネバの責任は重大だし、それどころか、それに協力して、袖付きの連中をネェル・アーガマに入り込ませたのは彼女だ。結果として、ネェル・アーガマの乗員全員の命を危機にさらして、実際に、一人はみんなの目の前で殺されている。これで、まだミネバを信じることが出来るネェル・アーガマの人々は、どこまでお人好しなんだろう? と言う気がする。いくらなんでも、ひどくないか?

そもそも、L1ポイントの調査に、ミネバを連れて行く設定がおかしい。素人の彼女をユニコーンに乗せて、戦闘になったら足手まといになるだけだって、そんなの最初から分かりきった話じゃないか? バナージに彼女を人質に取ることが出来ないことぐらい、大人たちにわからなかったはずがない。だから、変だし、この設定をアニメ版がカットしたのは、当然の判断だと思うが・・・。

それにしても、足手まといになって迷惑をかけただけじゃなく、バナージを裏切って、彼に銃を突きつけるような真似までしておいて、いけしゃあしゃあと、「私を信じて」じゃねえよ。いくらなんでも、ミネバがひどすぎる。何を考えているんだ? この女〜。

もともと、この話は、カーディアスとジンネマンの取引をミネバが邪魔したところから始まっているわけだし、ミネバが余計なことをしたせいで、すべてが狂ったとも言える。これで、彼女のやったことが正しかったかどうかは、箱の中身がなんなのか、明らかにならないとわからないんだが、それでも、今もって中身がわからない箱のことで、とにかく、フロンタルが気に入らないから、彼の邪魔をします! と言い切っているミネバに、どんな根拠があるのか、いまいち読めないから。少々、がっかりしているところだ。なんだか変だよ? この物語、とっくの昔に破綻してない?? とりあえず、続きを待ちます・・・。