星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「ナルニア国物語」第2巻 C・S・ルイス

読書23.「ナルニア国物語」第2巻 C・S・ルイス 角川文庫

ナルニアと現実世界の時間がズレているとは聞いていたけれど、現実世界のたった一年で、ナルニアでは1000年の時間が経過しているとはびっくりだった。そりゃ、少年少女の話が、向こうではもはや歴史上の人物、伝説上の人物になるわけだ。

たった一年留守にしていた間に、ナルニアは大きく変わってしまう。木々も動物も喋らなくなり、伝説上の生き物は姿を潜めて、人間の台頭が始まっている。

そういう物語展開は、かつて豊かだった世界を、人間がだんだん滅ぼしていく過程を見せられているようで、ちょっと切ない。一番末のルーシーにしかアスランの姿が見えなくなってしまったように。人間もまた変質していってしまうのかと。