星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「楽しいムーミン一家」第1話

第1話「ムーミン谷の春」

楽しいムーミン一家」は大好きな作品なんだけど、実は、私が最初に見たのは第9話「姿の見えないお友達」(←この話に感動したのだ)だったので、1〜8話は今もって見たことがないのでした。

今日はたまたまキッズステーションをつけたら、第1話の放映をやっていたので途中から見ていたんだけど、やっぱ出来がいいですね。

ムーミンたちの拾った謎のシルクハットの不気味な存在感がいいです。
パパがかぶってみて、「大きすぎるよ」「おや、抜けなくなった。引っ張ってくれ」とか言っているんだけど、正直、見ていて非常に怖い。帽子がパパを食べちゃいそうな気がするんだもの。

それでママが今度は、「くずかごにしましょう」とか言い出すんだけど、パパがゴミを入れたら、誰も見ていない間にもくもくと煙を吐き始めて、子どもたちはそれを見て、「うちの中から雲が出てきた」と言って、飛び乗っちゃうんだよね。

その雲に乗って空を飛ぶ子どもたち。それは確かに楽しそうな光景なんだけど、一方で不気味な帽子の方は、まだまだ家の中にある。
雲が消えてしまったので、今度は隠れん坊を始めた子どもたち。ムーミンがよりによってその帽子の中に隠れてしまう。

でもって、出てきたムーミンは元の姿とは似ても似つかない不気味な姿に変容している。そして誰もムーミンだとは気づかない。
「誰だ!君は!」とか言われてしまう。
「僕がわからないの? ムーミンだよ」と、怪物のようなそいつが泣きながら訴える。

最終的にはママの愛でムーミンは救われるけど、はっきり言ってこの展開、小さい子どもが見たら、絶対泣くよ。私が見ていても、非常に怖い。

私がこの作品を支持するのは、そういう「夢」は「夢」でも、楽しい夢だけじゃなく「悪夢」までをもこの作品が内包していること。
楽しい幸せな空間だけど、怖い、切ない、悲しい、寂しい、マイナスの要素も併せ持っていて、全部が同居しているふしぎな世界なんだよね。

子どもたちにばかり都合のいい理想の夢物語じゃない。だから、ムーミン世界が好き。あの不気味な独特の世界観が実に魅力的。

単なる子ども向きアニメだとなめてかかっている人には、一度、是非、見て欲しいですね。そうそう甘い作品じゃないことがわかるから・・。

それにしても、ムーミンママは実にいいキャラだ。彼女は私のあこがれですわ。いや、本当・・。