星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「名探偵ポワロとマープル」第29話

第29話「消えた料理人 後編 トランクの秘密」

物語の展開や推理の方法が、ちょっと不自然なくらい強引なんだけど、原作は一体どういう話なんだろう? と思った。もっと長い複雑な物語を思い切り単純化してアニメ化したと言うことなんだろうか?

とは言え、この物語から伝わるのは、トッド夫妻の暖かさと理由はともあれ必死になってイライザを捜したというその事実だろうか? 莫大な遺産を相続するよりも、人間には大切なものがある・・・ということで。

捜してもらえるということは、それだけ誰かに必要とされていると言うこと。誰かに必要とされること以上に、人間に大切なものがあるだろうか? たぶん、この物語が言おうとしたのは、そういうことなんだろう。

しかし、それならそれでもう少し作劇に説得力を持たせてまとめられないものかな? 特に犯人側の気持ちが全然伝わってこないのは非常に残念。どうして有価証券を盗んだのか、どうして殺人を犯したのか、どうしてイライザさんをだまして利用しようと考えたのか、全然わからない。犯人側にも何かしらの言い分があると思うんだけど・・・。

そういう部分は描く必要がないと判断したと言うことなんだろうか?? しかし、単純に考えるのなら、そういう部分でこそ物語を切り取った方がよっぽどまとまりがよくなるような気がするんだけど、どうだろう?