星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「機動戦士Zガンダム」第五部 富野由悠季

小説・一般35.「機動戦士Zガンダム」第五部戻るべき処 富野由悠季 角川スニーカー文庫

ロザミィのアーガマ脱出から、最終回まで。ハマーンとジャミトフの会見があったり、アクシズとゼダンの門の衝突があったり、コロニーレーザーを巡って、奪い合いになったり、いろいろするので、読んでいてもちょっと混乱しました。正直、この最終巻が一番、読みづらかったです。

アニメから離れたオリジナル展開が増えました。カミーユが、単独でハマーンに会いに行ったりしてます。一応、メラニーからの意向を伝えに行くという形ですけど。ミネバを含めて、3人でやりとりしている描写がほのぼのしていたので、後半で二人が対決するシーンには、さすがにちょっと違和感がありました。「お前は傲慢だ! 人を喰う女だ!」とか叫ぶのは、テレビでも使われたセリフかもしれないけど、小説のカミーユは、前半部分で、結構、ハマーンに惹かれていた設定になっているので、ここだけ口調が乱暴になっているのは、さすがに不自然だった。

ラストの方は、怒濤の展開でしたね。小説版ラストのネタバレになるので、気になる方はご注意ください。ラストにカミーユシロッコの対決がありますけど、カミーユシロッコを殺してません。シロッコカミーユを殺してません。シロッコは、グリプス2から発射されたコロニーレーザーに焼かれて死んでます。あと、カミーユは、ロザミィを殺してません。ロザミィを殺したのは、彼女の後にいた研究者の方です。カミーユの目前で、母親と同じく、ロザミィが殺されたのを見て、ショックでカミーユが崩壊しちゃう形です。

その後、何が起こったのかは、小説でも詳しく触れてませんけど、最後にファがカミーユに近づいたとき、Zガンダムのコクピットは開いていて、カミーユのバイザーも開いていたことになってます。少し前にカミーユがエマさんの前で、宇宙にもかかわらず、ヘルメットのバイザーを開けるシーンがありましたけど、それが伏線になってます。アニメで見たときには、凄く不自然なシーンに見えて、なんでこんなシーンがあるんだろう? と思ったけれど、たぶん、それをやりたかったんだろうなあ、という気がしました。カミーユは、誰かに殺されたと言うよりも、連れて行かれた・・・という感じに見えましたから。

なかなか読み応えのある小説で面白かったです。読んだ甲斐はありました。よかったです。