星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「道を視る少年」下巻 オースン・スコット・カード

読書13.「道を視る少年」下巻 オースン・スコット・カード ハヤカワ文庫

長編シリーズの第1巻ということで、中途半端なところで続くになるんじゃないかと心配していたが、思いの外、そうでもなく、最初からの伏線はちゃんと回収されていたし、リグの育ての親が何者だったのか、彼がリグに預けた宝石とは何だったのか、この世界の秘密とは、囲壁とはなんなのか、丁寧に解説してくれた。

確かに、本当の冒険はこれからです! と言わんばかりのラストだけれど、そういう終わり方をする物語はいくらでもあることだし、これはこれで、一つの完結した作品として読むことはできるんじゃないかな? と思う。

シリーズものだという理由で読むのをためらってしまうのはもったいない。読めば絶対に続きが読みたくなるほど、キャラクターと設定が魅力的だと言うだけの話。

それより、SFとファンタジーの見事な融合の部分に感心した。ファンタジー世界だと思っていたのに、カメラがどんどんひいていったら、惑星を背景にした宇宙空間に巨大な船が見えてくるようなもの。最初から、移民船の描写は出てくるので、最終的にここにたどり着くのはわかっていたんだけれどね。

いやあ、非常に面白かった。久しぶりにカード作品の醍醐味を視たという感じ。読んでよかったです。願わくば、早めに続きを・・・。

道を視る少年(下) (ハヤカワ文庫SF)

道を視る少年(下) (ハヤカワ文庫SF)