小説・一般29.「虚空の旅人」 上橋菜穂子 新潮文庫
7月中に「守り人」シリーズの文庫版続巻が出るというので、今まで積んでおいた外伝のチャグムの話を読むことにした。
順調に面白い。新ヨゴ皇国から離れて、隣国に出かけたチャグムとシュガ。そこで巻き込まれる陰謀の数々。海洋王国であるサンガル王国の描写がとても美しくて、印象に残りました。次々に展開する物語に、これからどうなるんだろう? とわくわくしながら読ませてもらいました。読んでいて、すごく楽しいのね。いい作品です。
なにげに為政者とはどうあるべきか? というテーマを盛り込んだところが気に入ってます。チャグムやタルサンの理想は、本当に甘いのだろうか? と考えさせられるところがいい。
あと、この世界と重なる異世界ナヨグでは、ここは海の中で、ナヨグの潮流が、こちらでは風になっているという設定が、なにげにかっこいいなあ、と思って印象に残りました。こういうの、好きです。
続巻も楽しみにしてます。