小説・一般15.「永遠の出口」 森絵都 集英社文庫
これは面白かった。一人の少女が小学生から高校を卒業するまでのそれぞれの時間をつづった連作短編集だけれど、小学生の時の物語、中学生の時の物語、高校生の時の物語と、それぞれの短編が個々に完成度が高くて、どれも素晴らしい。
それぞれ一つ一つの短編だけでも出来がいいのに、読み進めていくうちに一人の少女がだんだん成長していく様子と、それぞれの家族の中に浮かんでくるドラマが非常に面白かった。
特に少女の気持ちと、少女を見ている親の気持ちとの対比にずれがある部分とか、すごくよくわかるなあ、と思いながら、読んでました。
全体的にコメディタッチで描かれているのに、最終的にしんみりとさせられたり、いつの間にか感動させられるところは、本当に素晴らしかった。
これはいい作品でした。お薦めの物語です。