小説・一般9.「麦の海に沈む果実」 恩田陸 講談社文庫
アマゾンの書評を読んだけれど、確かにみんなが言っているように、ラストのあたりの展開は、どうかな〜という感じがした。どう見ても、急展開過ぎて、お話の作りが変だ。元は雑誌連載だったと言うし、打ち切りにでもされたんだろうか? と邪推したくなる。もちろん、落ちの部分は、最初から考えてあったんだろうけど、どうにもハロウィンから先の展開は早すぎて、伏線の回収にもなっていないような感じ。まだちゃんと続きがあったんじゃないか? ちゃんと書いてよ〜と言いたくなるんだけど・・・。
湿原に囲まれた学園。そこに密かに集められている優秀な少年少女たち。入ることは出来ても、出ることは難しい。そこでミステリアスな事件が次々と起こる。こういうのは設定だけでも結構、面白い。若い女の子の読者が惹かれていく感じがわかるような気がする。
いっそ、漫画化か、アニメ化でもすれば受けるんじゃないか? とさえ思ったんだけどねえ。恩田陸が使うこういうイメージは、いつもながら本当に素晴らしいです。と言うか、彼女の本領発揮という感じがしたんだけど。
ラストが尻切れトンボに見えるところが、かなり残念。もったいなかったと思います。