星の原休憩所

映画、アニメ、読書など、趣味の感想記録です。

「キノの旅」第3話

第3話「予言の国」

スタッフがかなり苦しんでいるのが見えちゃいましたねえ。
もともと原作の「キノの旅」のエピソードって、一つずつがものすごく短いから、アニメとして30分に延ばすのにはかなり無理がかかるんじゃないかと心配していたんですが、案の定。3話目にしてこれじゃ、先が不安になってきた。

「悲しみの国」というのはアニメオリジナルだと思うんですが、それとも番外編として、私が知らない原作のエピソードがあるんでしょうか?
「予言の書」の元になった出来事なんて、この話には不要だと思うし、蛇足にしか見えない。雰囲気を出そうとして苦労したのはよくわかるんだけど、最後のオチが効いていなければ、「なんじゃこりゃ」で終わってしまうところだった。危ない危ない。

「伝統」は、原作を読んだときからただのファンサービスだと思っていたんだけど、ここでこの話を描く必然性が全然感じられない。人気が高いエピソードだから入れただけという感じだ。シズ様が出てこない上に変な王家の末裔まで出してきたからオリジナル色が強すぎる、雰囲気だけの話になっちゃってて非常に残念。

いっそAパートとBパートにきっかり分けて別々のエピソードを使った方がよほどすっきりしたかもしれない。「予言の国」だけでエピソードを無理矢理引き延ばすよりは・・。「予言の国」だけと「伝統」だけという形にするとか。
とは言え、そこは私が指摘するまでもなく、スタッフの方も悩みどころだったんじゃないのかな? 難しいねえ。アニメ化って・・。(−−);

今回は努力点というところですかね。頑張っているのはよくわかりましたから・・・。

【補足】
確認したけど、原作の「予言の国」には、もう一つ決め手になる最後のオチがあったね。内容的にまずいので、アニメにはできなかったんでしょうか?

【補足2】
あるいは、「誰かが作ったものを誰かがまた勝手に解釈して、別のものに変えてしまう。その繰り返し」という「予言の国」の中に、「伝統が欲しくて作れないと思っている国民は、いつの間にか実はもう作っていた」という「伝統」は、入れ子細工のように組み合わさっているのかもしれない。

とも思ったけど、それこそ私の「勝手な解釈」かもしれませんね。どうだろう?
寓話的な物語の中に様々なテーマをファンが読みとれば、それはそれでいいんじゃないのかな? ダメかな?(^^)