1.「シャドウ・オブ・ヘゲモン」上巻 オースン・スコット・カード 早川文庫 評価★★★★
「エンダーズ・シャドウ」続編。ビーンのその後の物語です。
いやあ、天才少年ビーンの健在ぶりを見ることが出来て、それだけで嬉しいです。生意気なあの口調がそのまんまで、小憎らしいくらいにかわいい。好きだなあ。(^^)♪
今回は、ペトラとピーターが物語のメインにいるみたいで、特にピーターとビーンの邂逅が描かれるのは必読。この二人で会話をすると、双方とも毒舌ぶりを発揮して、皮肉混じりの言い合いを繰り広げるのが実に読み応えがあって面白かったです。どっちも負けていないけど、どちらかというとあのピーターが押され気味というのがまたいい。
まあ、今までピーターについての描写が少なすぎただけなんじゃないかという気もするけど・・。初めて、彼の内面が事細かに丁寧に描かれて、エンダー視点のピーターとビーン視点のピーターとの間の差異がよくわかります。
エンダーはピーターにかなわなかったけど、ビーンはピーターより強いかも。そのビーンがエンダーにだけはものすごく敬意を払っていて、エンダーのことだけは悪く言われるのが許せないという3すくみが成立しているのね。美味しすぎます。この構図。(^^);
基本的にカードらしく、今回も家族の物語をメインに据えてきていて、ペトラの家族、ピーターの家族、ビーンの家族が丁寧に描かれてます。
天才過ぎる少年少女を持った親たちのとまどいと、その愛。特にピーターの両親が上巻最後の数ページでピーターに語った言葉には感動させられました。
面白いです。(^^)